平成十四年度
PTA指導者地区研修会 県下十一会場

盲・聾・養護学校

六月一日(土)
  於 ルヴェールたちばな  参加者 百三名

一 講演会
 「可能性へのチャレンジ」
  講師 ライフケアセンターくるみ  所長 永井 忍

 平成五年から知的障害のある方の就業サポート事業を行っています。今日はそこでの経験を少しでもお伝えできればと考えています。
 この事業は、ある企業から「障害者をいくら雇用しても長続きしない。健常者のマネージメントはうまくできるが、障害者となるとうまくマネージメントできない。」との相談を受け、「ではそのノウハウを提供しましょう。」ということがきっかけで始めました。
 就業支援・雇用支援ということがなぜ必要かというと、企業は障害者を雇用するに当たっては、この仕事をやってもらいたい。との期待をもって雇用することになります。そして、雇用された方は、これに応えることが求められます。しかし、この期待を伝える手立てが不明な企業と、期待に応えるには困難が多いという知的障害者、というように互いに自己解決できない部分があって、雇用・就労がうまく続かないということがありました。そこで、この期待のかけ方というノウハウを私たちが企業に提供しましょう。期待に対する応え方についても、彼らに何らかの配慮をしましょう。そうすることが、障害者の雇用につながるのではないだろうかと考えたわけです。
 この支援をするに当たって、常にスタッフと確認しあっていることは、彼らを障害者として見るのではなく、○○さんとまず名前で認めていこうということです。企業から「知的障害者はどんな仕事ができるのですか。」ときかれます。これには「じゃあ、健常者は何ができますか。」と問い返します。健常者の中にも様々な人がいるように、知的障害者の中にも様々な人がいるのです。障害者も援助があればいろんなことができるのです。援助者が付いて、三百種類の仕事を十一人でやっているケースもあります。知的障害をもっていても、私たちがその能力を見極めて適切な援助をすれば、障害者としてではなく、○○さんという個人とし向き合うことができるのです。
 以前は、障害者雇用率の達成のために雇用するけれども、ここに座っていてくれればそれだけで良いという風潮もありましたが、これでは本物の就労にはなりません。私たちはサポートするに当たって、彼らが居なくては困る、業績が悪くなってもリストラされないような仕事につけるよう支援をしたいと考えました。現場の人が無理といったら終わりです。どうしたらできるかということを常に念頭におき支援しています。
 その熱意が伝わることがあるのです。その気持ちが良い仕事につながるのです。


二 研究発表
  ―ものの考え方について―

 テーマ
  「本校のPTA活動について」

発表一

沼津聾学校 PTA会長 早川 昌代

 本校は昭和二十四年設立され今年で五十三年目を迎える。現在、乳幼児から専攻科まで百十名の幼児児童生徒が在籍している。卒業後は就職を中心に専門学校・大学への進学者も増えている。昨年度まで百%進路が確定し卒業を迎えることができている。
 PTA活動としては、広報・厚生・環境整備・研修の四つの専門事業部を設けて行っている。近年、活動が停滞気味であったため、昨年度より幼・小・中・高の学部を縦割りにして活動をしたところ、学部間の情報交換もでき、事業が活発に行われるようになってきた。
 広報部はPTAだよりを年三回発行し、地域にも配付・回覧するようにしている。厚生部はバザーや親睦ソフトバレー大会を行い、会員相互の親睦を図っている。環境整備部は年二回全会員に呼びかけ、清掃や花壇整備等に当たっている。研修部は講演会や研修旅行の企画運営に当たっている。
 今後の課題としては、PTA会員が減少し、役員だけではPTA活動を支えきれなくなってきている。このため、会員全員が各専門部に所属することで活性化を図っている。この体制が本来のPTA活動の姿であると思われる。


発表二

浜松養護学校 PTA会長 長田 治義

 本校のPTA組織と活動としては、総務…各種研修会・会議への出席、バザー 文化…親睦に係わる事業・ベルマーク 広報…広報誌の発行 進路対策…行政・施設の訪問等に取組んでいる。また、育成会との連携として、防災マニュアル作成、サマースクールの共催も行っている。 
 特色ある活動としては、「お父さんによるPTA奉仕活動」と銘打って、運動会が迫った九月中旬、お父さんを主体とした校内の草刈り奉仕活動を実施している。昨年度は大変多くの父親の参加を得ることができた。これにより初めて校門をくぐった父親が多数おり、事後アンケートでは「学校に出向くきっかけとなった」という意見も多く、成果が見られた。ただ、父親の場合、作業中に会話がなく黙々と作業をしていたので、父親相互の交流の機会の確保が今後の課題である。本年度は回数を増やし、六月中旬にも実施予定でいる。
 また、本年度より「学校週五日制に伴うサポート事業」を実施することとしている。これは奇数月の第四土曜日の午後、本校体育館で音楽活動を中心に行うが、県西部の音楽グループもゲストに迎え、交流を通して知的障害児・者に対する理解を深めてもらこともねらっている。この事業の大きな特色は、事業主体をPTAから離して、魅惑的倶楽部と称する任意の団体としていることである。今後は音楽だけでなく、スポーツ、特にサッカーも実施したいと考えている。


発表三

静岡聾学校 PTA会長 上野冨久江

 本校は、会員が縦のつながり(幼・小・中学部)を大切にしながら、誰もが参加しやすく、活動しやすい内容が、長い歴史の中で引き継がれてきている。
 現在、「交流」・「美化奉仕」・「広報」・「交通安全」・「ベルマーク」・「研修」の六事業部があり、役員を各学年より選出することで、活動内容が会員に理解しやすい状況にある。そんな中で気付いたことを出し合い、活動の内容を工夫することで、新鮮さや独創性を出し、着実な活動をしながら会員の親睦を深めてきている。
 また、奉仕作業や交流事業においては、以前に比べて地域の方々が積極的に協力・参加してくれ、交流が深まってきている。
 今後の課題としては、仕事や日程の都合で父親が参加しにくい点を見直して、父親の顔が見えるPTA活動にしていきたいと考えている。





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