平成十四年度
PTA指導者地区研修会県下十一会場

富士地区

九月二十七日(金)
  於 ロゼシアター  参加者 二百名

研修テーマ
 
「生きる力と豊かな人間性を育むPTA」
 
一 全体会

(一)開会のことば
  富士見高PTA会長 
            加納 永子
(二)挨拶
  吉原工業高校PTA会長
           望月 賢司
 
 不景気が続き、不透明な社会の状況下、子供が将来に希望を持ち、社会に参加出来るように生きる力を付けさなければならない。本日ここで、皆様と活発な意見交換をして、良い方向が見出せたらと期待する本年度から、学校週五日制になって学力の低下を懸念する声もあるが、状況の変化に対応できる子供、できない子供がおり、今まで以上に、我々大人が、子供の変化に気を配り、対応しなければならない。一方、今学校では、感性豊かな人間づくりを目指した教育がなされている。地域社会に関心を持ち、学習を深め、生きる力を身に付けさせたい。その きっかけ作りを私たちがやらなくてはならない。
 PTAの役割がより重要になる。

 
  県公立高等学校PTA連絡協議会
       副会長 豊岡 武士

 本年度から、学校週五日制になった。土曜日に補習やボランティア活動などが行われているが、今後どのように活用されていくか非常に関心を持って見守っている。
 今、県教育委員会から、新しい教育計画が出されている。これに対して、インターネットで広く御意見を募っている。二十一世紀の学校教育をどのようにしたらよいのか。是非皆様の御意見をお寄せいただきたい。

 先日、東北への視察の際、郡山で中学時不登校だった子供を集めた高校を見学した。入学時、倍率が二倍程の大変人気のある学校であった。本県にも、不登校生徒が三千人いる。知識も技術もない子供が社会に出ていく事に対する対策が必要である。必要な時に必要な教育が受けられるようなシステム作りが急がれる。
 最近の財政難により、これからは、お金をかけないでいかに教育するかという考えが重要になる。そのためには、これまで以上に、教育する者の見識や技術力、実行力が求められる。
 この研修会が、活発で実りあるものになるよう祈念致します。


 


富士地区研修会・全体会
二 講演会
  「スポーツを通しての人づくり」
 

 講 師
  静岡県サッカー協会専務理事
         桑原 勝義氏

 藤枝東高校や本田技研などでの選手時代や指導者としての豊富な経験を基に、サッカーの本質から子供を育てるヒントを語りかけた。
 サッカーは、全世界で非常に人気があるが、元全日本のコーチとして招かれた、ドイツのクラマーさんは、サッカーの本質を、「サッカーは人生の縮図である」「サッカーは子供を大人にして大人を紳士にする」「サッカーは人生を勉強する学校である」という表現で説いた。当時はよく分からなかったが、サッカーに長く関わってきてようやく理解できるようになった。
 ブラジル代表として三度ワールドカップ優勝を果たしたペレは「サッカーは愛」と表現し、一試合の中で、一人がボールをキープする時間はわずか二、三分程度で、選手たちはそれ以外の時間、チームメイトを助けるプレーに徹する。サッカーには、犠牲的精神が必要である。また、サッカーの本質は、キリストのいう愛と同様、犠牲の愛で、全て人のためにやることである。
 最近は勝つために、全てを教えてしまう詰め込み式や促成栽培になってしまっているが、これでは世界に通用する一流選手は育たない。サッカーではチームのために自分で判断して自分で行動することが最も大切である。これはサッカー以外の場面でも同様である。
 子供達が、二十一世紀をしっかりと生きていくために、自ら考える力が重要である。このことが、子供を指導する上での原点である。


 

三 分科会
第一分科会
 「学校と父親のかかわり」
 発表者 吉原高PTA会長 
         増田  隆
 
 吉原高校では、「PTA父親部会設置の検討」を掲げている。そこで保護者が参加する行事等について、アンケートを行い、父親の参加状況を調べ、実態を把握しその原因を調査した。その上で今後PTAとして改善可能な方法を検討し、少しでも父親が子供のことに関心を抱き、実際に行動するようになればと考えた。
 アンケートの設問の、「今まで学校、PTAの行事に参加したことがありますか。」で、「ない」と答えた理由について、(1)仕事が忙しい、(2)時間がない、(3)母親に任せている等、何らかの対策を取れば、父親が参加可能な項目が九十三%にのぼった。そこでその対策として、(1)土、日曜日に行事を行う。(2)会議などの開始時間を遅くする。(午後七時頃)、(3)学校に行きやすい雰囲気作り(校内に案内板を設置、駐車場の確保)、(4)休日の学校開放、(5)家庭での父親、母親の役割についての話し合い、(6)子供とのコミュニケーション等が考えられる。また、参加しやすい行事として、スポーツ、パソコン教室、そば打ち教室、フリー授業参観、ミニコンサート等が挙げられる。
 
 吉原高校では、「PTA父親部会設置の検討」を掲げている。そこで保護者が参加する行事等について、アンケートを行い、父親の参加状況を調べ、実態を把握しその原因を調査した。その上で今後PTAとして改善可能な方法を検討し、少しでも父親が子供のことに関心を抱き、実際に行動するようになればと考えた。
 アンケートの設問の、「今まで学校、PTAの行事に参加したことがありますか。」で、「ない」と答えた理由について、(1)仕事が忙しい、(2)時間がない、(3)母親に任せている等、何らかの対策を取れば、父親が参加可能な項目が九十三%にのぼった。そこでその対策として、(1)土、日曜日に行事を行う。(2)会議などの開始時間を遅くする。(午後七時頃)、(3)学校に行きやすい雰囲気作り(校内に案内板を設置、駐車場の確保)、(4)休日の学校開放、(5)家庭での父親、母親の役割についての話し合い、(6)子供とのコミュニケーション等が考えられる。また、参加しやすい行事として、スポーツ、パソコン教室、そば打ち教室、フリー授業参観、ミニコンサート等が挙げられる。
 
  討 論
毎年、参加する父親は決まっている。 今年から新たに、父親が参加しやす い環境整備作業を行った。
PTA役員は、小、中学校からの経 験者が多い。役員をやることによっ て人との関わりが広くなり非常に勉 強になるのだが・・。
父親の参加が少ない事について、あ まり危惧していない。家庭の中で父 親、母親の役割分担をしているので はないか。朝日新聞に連載の「おや じのせなか」では、細かく子供のこ とに関わった父親のことなどほとん どない。むしろ、仕事ぶりや生き様 が子供の心を打つ。
仕事が忙しいから参加できないとい うのは違う。忙しい中から時間を作 ってやっていく必要がある。
支部活動で学校行事以外に、交流会 (懇親会)をやっているが、会議と 違って、本音でいろいろな話ができ人間関係も広まった。
 
  助 言
 富士宮北高校長 村上 明夫
 富士東高校長  河田 一男
 星陵高校長   森竹 鍵治
 
 
父親が無関心でなく、参加できる行 事などに取り組む積極的な姿勢が望 ましい。
社会的にも男女機会均等の意識が広 がり、以前より父親の参加が多くな った。父親もバランスよく取り組ん でいるのではないか。
「開かれた学校」から「学校自己評価」「学校評議員制度」が導入され、学校外からの意見を取り入れる気運が高まっている。学校と保護者との連携を密にし、行事等のすり合わせをやっていけば、良い方向が見い出せるのではないか。
富士地区研修会・全体会
家庭において、父親の決定権が必要な場面がある。特に、問題行動があった時や進路決定の時など父親が学校に来て話し合うことが必要ではないか。忙しい中、父親が参加する姿を見せることで、子供の心に響く場 面を経験した。
土曜日の学校開放について、今はまだ形式的なPTA主催になっているが、今後これが進んでいけば、本当のPTA主催の活動になっていくのではないか。

 
第二分科会
 「PTAと生徒の交流の場を求めて」
 発表者
   富士宮西高PTA会長
             岡崎 正則
 
 学校週五日制の実施を迎えるにあたり、「豊かな人間性を育てる」ためにPTAとして、何が出来るかを検討した。その結果「子供たちに、地域社会の大人の生の声を聞かせたい」ということで、一年生八クラスを対象に二クラス単位四会場に分けて「PTAと生徒の交流会」を企画した。(四会場の内、一グループの内容が紹介された。)
 交流会後、生徒を対象にしたアンケートから、話を聞いて心に残ったことは、「友達は財産だ」「話を聞いて、今は友達がほしい」「苦しいとき自分を誉めることが自信につながる」等の回答があった。また、「皆の意見が聞けて楽しかった」「これをきっかけに生活の励みにしたい」「積極的に生きていたい」等の感想が書かれていた。
 
  討 論
学校五日制とPTAの関わりについて、保護者の参加状況が話題となった。
いろいろな行事への、保護者の参加が思わしくない。
PTA活動が保護者に見えていないのではないか。何らかの対策が必要。
保護者に対して、PTA活動に対する意識付けが大切である。
入学前に地区毎の会合を持ち、役員選出、行事等の参加について理解をしていただくようにしている。
生徒とPTAの交流会について
学校行事とPTAとの関わりについ て考えてはきたが、「P」が子供に直接、話をする企画はなかった。大変参考になり必要性を感じた。活動の輪を広げていきたい。
交流会の様子を子供(他校生)から 聞いた。子供達は、自分達の保護者の話が、身近に感じられたのではないか。
 
  助 言
 富士宮東高校長   佐藤 玲子
 富岳館高校長    赤池 大樹
 吉原高校長     水上 重夫
 富士養護学校長   名倉愼一郎
 
PTA役員から見ると保護者の参加状況を懸念しているが、各行事に非常に協力的であると感じている。体育祭等を日曜日に実施する工夫があればさらに参加しやすくなる。
出たくなるような行事が企画できるか。高校のPTAは、小・中学校のPTA活動とは違ってよい。それぞれの学校で「これなら参加したい」という企画を検討したらよいのではないか。
高校生は社会との接点にいる。その場面で「P」が登場してほしい。また、新教育課程で「総合学習」があるが、ここにも出番があるのではないか。今後、このように、保護者が直接関わっていくことが多くなる。
無理のない範囲で、関わっていけばよい。例えば、この交流会の企画で五十分を一人ではなく、二〜三人でやれば話をする負担は少なくなる。また、生徒会を巻き込んだ企画やPTA役員による授業参観等も考えられる。
学校五日制で休日を有効に利用する動きがあるが、学校で教育する時間が少なくなった分、保護者が自分たちの思ったような、自分たちの期待できる教育を工夫を凝らして実施できるよい機会で、様々な組立が可能になってきたと考えればよいのではないか。

 

第三分科会
 「宮北の伝統から
       生きる力を体得する」
 発表者
   富士宮北高PTA会長
        青島  章
 

 近年の青少年の規範意識の低下、心の荒廃は我が国の危機的状態を示している。子供を育てるのは親の責任であり、教育の原点は家庭にある。しかし、子供たちが何を考えているのか掴みきれず、よい方策を見出せないでいる。 そこで、日本青少年研究所が実施した米国・中国・日本の高校生の「意識調査」を参考に、北高生に対して「意識調査」を実施した。
 また、子供が生きる力を育み、心豊かに成長するために、体験活動等を実施したり、家庭力を高める等、力強く生きる青少年をあらゆる方策を用いて育てる必要がある。
 その一つとして宮北の伝統行事の「宝永登山」にPTAも参加協力し、同じ目的に向かって親子で体験をし、心の触れ合いの機会にしたいと考えた。
 「意識調査」の中で、「目標に向かって努力したい」と考えている生徒が九十四%で、「自分の人生は自分で決めることが大切」と考える生徒が多く、また正義感や奉仕の気持ちを持っている生徒の率が高いという結果が出た。親たちが心配している以上に、しっかりとしており、安定した考え方を持っている。
 「宝永登山」については伝統行事の継続、厳しい自然体験の意義や重要性を訴える意見、学校行事への参加の重要性を訴える意見が保護者から寄せられた。
 

  討 論
記念行事(宝永登山)にPTAも参加協力について
  生徒との触れ合いを目的に、マラソン大会時の豚汁支援や環境整備作業等各校が取り組んでいる行事が紹介された。
 
  助 言
 富士宮西高校長   須藤  明
 吉原商業高校長   齋藤 照安
 富士見高校長    竹谷  勝
 吉原工業高校長   足立 好弘

 

記念行事(宝永登山)にPTAも参加協力について・

公開授業を実施するが、その際、受付や接待を「P」が受け持っている。「P」の協力があれば行事がうまくいく。
「P」が行事に参加することには大賛成。
お互いの信頼関係の中でうまく運営される。
行事に積極的に参加することで、対話の場、共通の場ができ、子供たちと一緒に行動することによって、子供を理解できる。保護者がこのような行事に参加することは、非常に貴重である。

学校と保護者が共に子供を育てようとする姿勢と親が子供の前で楽しく参加し、汗を流す姿を見せることが大切である。
 

「意識調査」について
日本、米国、中国と比較すると日本人の規範意識が低いのが気になる。日本は明治以来欧米文化を取り入れて個人主義になったが、欧米の場合、キリスト教で常に神のもと自分を律している。日本の場合、昔は「お天道様が見ている」と言って善悪を教え、これが大きな教育力だった。しかし、今は確実にそれがなくなっている。結果、個人主義ではなく利己主義になってしまった。「お天道様が見ている」「自分を律する」ことを、今は、家庭と学校が共に、悪いことをしたら怒る等の「しつけ」をしっかりやらなければならない。それが「生きる力」の原点である。
幼稚園から大学までの長いスパンを考えて大きな目標を設定していくような考えも必要ではないか。・親の子育ての満足度についての国際比較があるが、日本は子供の成長に 対する満足度が、子供の年齢が上がるほど極端に低くなる。日本の親の場合、自分の子供を中心に見るのではなく、他人の子供と比較している。個性重視とは、その子供の持っているよさを、その子供中心に見ていくことであり、他と比較するものではない。

 
四 全体会

(一)分科会の討論内容の報告

(二)講 評
 富士高校長  大石  收

 第一、第二、第三分科会いずれも子供と積極的に関わり合う工夫が共通したテーマであった。「子供は親の背中を見て育つ」と言われているが、正に真実だと思う。PTAの実践活動が、子供と向き合う仕掛け作りである。子供と真剣に向き合うことで、子供の成長は勿論、親も成長する。例えば本校に教育実習生が来て二〜三週間教育実習を行うが、授業で教える体験を通して、精神的に非常に成長する。親子も同様ではないか。その意味でも、PTA活動や学校行事等を通じて、子供と積極的に真剣に向き合って、共に成長してほしい。
 絵本「クワガタと少年」の紹介。
 足が一本とれたクワガタの値段(価値)について、交通事故で片足を失った少年と、クワガタを売る店員との会話を通じて、店員が少年から大切なものを学ぶ…。

(三)閉会のことば
 星陵高PTA会長  佐野 匡司

 





このホームページ内の画像及び文章の著作権は、静岡県公立高等学校PTA連絡協議会に帰属します。