| あいさつ
完全学校週五日制とPTA

静岡県公立高等学校PTA連絡協議会 会長 西原 茂樹
完全学校週五日制の実施で、私たちにとっては悩み考え、行動させられることの多
い年になっています。
この、完全学校週五日制「土曜日が休みになったので、学力が心配」と親も子供も
マスコミの論調に乗せられて大騒ぎです。しかしちょっと考えてみると、昨年と今年
では土曜日休みが十五日増えているだけです。平日換算で七日半ですが、これで学力
が心配でしょうか。もし仮に心配なら、先生方は夏休みも冬休みも勤務ですから、授
業をやってもらえばいいでしょう。授業日数よりも子供のやる気です。
学校週五日制は社会システムの変化です。会社でも役所でも週休二日になってきま
した。この変化を取り入れてきた日本社会は「仕事や経済だけではない価値観、幸せ
観」を土曜日や日曜日の地域や仕事以外の活動に見出すことに努力してきたはずです。
学校週五日制もその一環です。そして試されるのは「家庭」と「地域」です。
一方、新しい学習が小中学校で始まりました。基礎基本は少しやさしくなりました。
その上に応用力をつける。そこまでは一緒ですが、大学受験に強い学力は確かに不足
するかもしれません。しかし、大学を出たから「社会が今必要としている力」がつく
のでしょうか。社会が必要とする力=「生きる力」とは「自分の頭で考えて、自分の
言葉で話して、意見の違いがあれば調整できる力」です。今までの学校では、これを
教えてきませんでした。いきなりこんな力つけろと言われても難しいでしょう。先生
方も現場で、戸惑っています。必要な学力として付け加えれば、「パソコン(情報処
理)」と「英語(国際理解)」も重要です。新しい学力をつけることができるかどう
か、試されているのは「先生=学校」と「生徒」です。
県内の公立高校では、おおよそ半数の四十九校で何らかの土曜日の教育活動をして
います。土曜日を遊ぶのはもったないから補習や自主学習をやろういうものです。既
に日曜日や長期休業時など補習をやっているところが多いわけですから、それが増え
たと見ればいいわけですが、特徴的なのは主催がPTAということです。
学校の教育活動の一端を担っていく過程で、親が高校の学校経営に興味をもってき
ました。国立大学は平成十六年度から独立行政法人つまり民間になります。大競争が
始まっています。高校でも子供の数がどんどん減って、私学は通学バスや土曜返上で
生徒の確保に躍起です。県内公私立高校の総数は平成元年から平成十四年まで一校も
減らず一四八校ですが、生徒数は平成元年の一六万八千人から平成十四年の一二万人
と実に七〇%近く減っています。すぐそこに高校の大淘汰時代がやってきます。PT
Aが学校経営を心配する時代になってきました。
当たり前と言えば当たり前ですが、納税者として地域の原動力である教育を真剣に
考える時、PTAの一員としてこのような機会に学校の現場に入ってみることは大変
重要です。先生方の悩み苦労も分かるはずですし、大胆な変革も提案できるはずです。
今年のスローガンでも述べていますが「情報公開」と「説明責任」に耐えられるP
TAとして、変化する高校入試や教員の評価制度など私たちを取り巻く多くの課題に、
残る半年間全力で取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。
資料「完全学校週5日制に関する調査の集計結果(概要)」
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